2020年 10月 27日
【原発賠償京都訴訟】第7回控訴審(大阪高裁)期日報告集会の報告です! |
みなさま
原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会事務局の上野です。
期日報告集会の報告です。
閉廷後、大阪市中央公会堂小集会室で報告集会を行ないました。会場からZOOM配信するという初めての試みでしたが、ZOOM参加していた人によると「映像もきれいでよかった」とのことでした。以下、発言順に要旨を掲載します。
1 あいさつ
●川中弁護団長
今年3月に仙台高裁で(いわき避難者訴訟の)判決が出て、「ふるさと喪失慰謝料」を認めた。東電は、元最高裁判事の千葉勝美らの意見書を最高裁に提出し、「仙台高裁判決は間違っている、慰謝料が高過ぎる」と主張している。最高裁判事だった人が係争中の一方の代理人になるなんて倫理的に問題だ。9月30日に同じ仙台高裁が判決を出した。国は全然責任を果たさず、東電の言いなりになったと指摘し、スカッと胸に落ちる判決だった。福島地裁が認めた賠償額の倍の10億円まで認めた。これを励みに、われわれも頑張ろう。
●橋本宏一共同代表
今日、裁判長が冒頭で5月の裁判が取り消しになったことをお詫びすると言ったので、少し溜飲が下がった。弁護団の弁論で、改めて「なんで避難しなければならなかったのか、避難することはどういうことだったのか」を知らされた。生業訴訟は双方が上告したようなので、賠償額についてはまだまだ満足できる金額ではないということかと受け止めた。京都訴訟では仙台高裁を超える判決を出させようとの意気込みを今日の弁論で感じた。今日の素晴らしい弁論をいろんな手段を使って知らせ、闘いを広げていけたらと思う。
2 弁護団報告
●白土弁護士
今日は読み上げなかったが、裁判官に読んで欲しくて原告の生の声を載せた。 前回(注・原告の陳述書を基にしたアンケート調査結果に関する意見書)は、原告総体として、どういうところに苦しみを抱えているかを陳述書の分析から明らかにしたが、今回はその要因がどういうところにあるのかへと進めたものだ。 二つをまとめて、被害実態をより精緻にすることができたのではないかと思う。
●井関弁護士
準備書面を書いていて一番腹立たしかったのは、原判決が損害賠償については全面的に中間指針によりかかって算定したことだ。辻内先生は数年前の東京地裁に続き、9月に埼玉地裁で証言されたが、ほぼ100%の証言ができたと聞いている。その尋問調書を追加で提出したい。
学者の証人尋問については、本行先生はすでに申請済みで、竹沢先生も申請したいと考えている。
●田辺弁護士
本行先生の意見書については東電から反論が出ている。本行先生のような考え方は、アララの原則(注・放射線を伴う行為のメリットが放射線のリスクを上回る場合は、合理的に達成可能な限り被ばく量を減らして、放射線を利用するというもの)に反するというもの。その考え方がおかしいということで反論していく。
因果関係については考えていることがある。子ども脱被ばく裁判が結審したが、この裁判で被ばく者医療に携わってこられた郷地医師が内部被ばくについて証言された。すでにひょうご弁護団が中心になって、その証言内容を整理しているので、それも活用して内部被ばくについて主張していきたい。
今日はプレゼンしなかったが、国際人権法についても主張している。人権条約で定められた権利を裁判所はなかなか認めない。しかし、健康に対する権利はわれわれにとっては核心的な権利なので、日本の法律としても受け止めるべきだと主張していきたい。
3 生業訴訟の控訴審判決と今後の見通し(田辺弁護士)
国は、当初地裁段階で負け続けた。途中から、後付けで専門家の意見書を一杯出してきた。 長期評価は、三陸沖から房総沖までどこででも津波地震が起こる可能性があると指摘したが、国は、東北大の今村教授に「とてもそんな広い範囲で起こるとは思わなかった」という意見書を出させた。それに影響されたのか、それ以降原告側が負ける裁判が増えてきた。国の責任を認める仙台高裁の判決が出たので、各地の訴訟団は裁判での主張をもう一度見直していく必要があるのではないかと思う。来年1月と2月に東京高裁で群馬と千葉(第1陣)の判決が出る。ここで、もし国敗訴の判決が続けば、3月には大きな運動の波があると思う。ただ私たちとしては、損害の実態をきちんとわかってもらうことが大事で、それが責任論にも影響してくると思っている。

4 原告の感想・思い
◆H・Mさん
今日は原告7名が参加していて、Iさんは福島から参加してくれている。今日は、弁護団の陳述を聞いて、うなずける内容だったと思う。私たちのことがよくわかる内容だったし、これで勝てないはずはないと思った。個人的なことだが、洛西から茨木市へ引っ越したばかりで大変で、今日は片頭痛がひどい中を参加した。先日の生業訴訟判決でも、県外の人には厳しい内容だったなと思った。区域外避難者の集団訴訟である私たちはもっともっと頑張らないといけないと思っている。
◆K・Cさん
裁判が長い間行われない中で、自分に起こったことなのに、なんか漠然としてきてしまって、今日のプレゼンで自分たちに起きたことやストレスになったことがまとめられていて、「ああ、そうだった」と思い出して、自分のことなのに忘れていたことに気づかされた。裁判になって、あの人たちが責任を問われても責任はないと言うのを見て、私たちはこの辛さを何にぶつけたらいいのか、非常にむなしく感じた。何を認めてもらい、謝罪してもらいたいのかということを忘れないでしっかり持って、私たちが裁判しているのを知らない人もたくさんいるので、その人たちに伝えていけたらいいなと思った。
◆I・Rさん
先日「げんこくだより」(支援する会の会報「原告と共に」のコーナー)に寄稿させてもらった。私はいつも端っこの方にいて、だいたい前の人が私の言いたいことも言っちゃって、話出しても、話がまとまらず訳が分かんなくなるということだったけど、今回文章で寄稿することができた。今日裁判を聞いていて、まだ言いたいことがあるなって思えたので、もうちょっとこの場所に居させてほしい。
◆K・Aさん
今日の裁判を聞いていて、これだけPTSDのリスクが高いんだぞって言いつつ、回復していくことを同時にしていかないと自分がつぶれてしまうと感じた。原告同士で助け合うというか、高め合っていかないといけないと思った。ZOOMで参加している原告さんがいたら、ZOOM飲み会などにもぜひ参加してほしい。

◆K・Mさん
先日テレビでアメリカの番組をやっていて、屈強な男4~5人がUFOの基地があるという洞窟の中に入って行き、突然「0・6マイクロ、1マイクロ、2マイクロ…、命の危険がある」と言って逃げて行った。私たちはもっと線量が高いところに居たのに…。 「フクシマ・フィフティ」という映画を観たが、ベントをしに行き失敗した作業員が「もう一度行かせてくれ」と言うと、渡辺謙や佐藤浩市が「被ばく線量が20ミリになるから行かせられない」と答える。福島では20ミリに近いところに住まわされている。 裁判をやるのは疲れるし、日々の生活も大変だけど、怒りを燃料にして頑張っていきたい。
◆H・Yさん
先生たちがまとめてくださった資料の中に避難した子どもたちの6人に1人が引きこもりになっているとあった。娘も1年以上学校に行けなかったが、今は学校に行き、それなりにレポートも出し、テストも受けることができている。PTSDを乗り越えるためには、話すこと以外にないと聞いた。私が未来についてかなり希望にあふれるようになってきたのは、苦しい中でも語り続けてきたことが力になっていると思うので、原告さんとももっと話をしてきたい。
◆S・Yさん
非日常がずっと続いているのが苦しくなっていたが、メリハリをつけるようになってからは気持ちが楽になった。ずっと交感神経が高ぶっている状態が続いていたので、今日の資料を見て「これ、自分にも当てはまるかも」と思いながら聞いた。 福島にいる家族からは帰って来いと言われているが、下の娘が来年高校生になり、私も今している仕事が来年も継続されそうなので、しばらくはこちらで頑張っていきたい。
◆S・Mさん(ZOOM参加)
2月の期日以来8か月が経ったが、その間も原告同士でつながろうとZOOM飲み会を開いて、みんなでワイワイ話をしたり、支援する会では学習講演会を開催してモチベーションを繋げようと頑張って下さった。今日、こういう形で皆様の顔や声が聞けて、また明日から頑張っていける気がする。

◆F・Aさん(ZOOM参加)
いま仕事が終わりました。今日、宮城県の原発が再稼働しそうなニュースを見たが、京都訴訟には仙台からの避難者もいるので、私たち自身が自治体にプッシュしていけるような判決をかちとらねばと改めて思った。みなさんと一緒に歩んでいきたい。

このあと、関西訴訟原告を代表して副代表の佐藤さん、ひょうご訴訟のぽかぽかサポートチームを代表して久一さん、そしてZOOM参加されたひろしま訴訟原告の渡部さんがそれぞれ挨拶されました。

また、竹沢先生と一緒に意見書を書かれた伊東先生がZOOMで参加され、九州訴訟の現在の取り組みについて報告されました。
会場参加者は延べ54名、ZOOM参加者は20名でした。なお、次回期日は来年1月14日(木)、次々回は3月18日(木)に決まりました。
<参加者の感想>
◆口頭弁論、模擬法廷について
・放射能のヒトへの影響についての認識―フクシマについての評価がチェルノブイリより低いとされていることを知り驚いた。今さら…という思い。
・模擬法廷に参加しました。書面分かりやすかったです。報告集会で田辺先生が話されていた「損害を訴える」につながるものだと思いました。
・プレゼン資料も配布されて、とても分かり易い陳述でした。PTSD症状の具体的な実態を聞きながら、広島・長崎の被爆者の体験を想起しました。
・原発訴訟をはじめて傍聴しました。今日は弁護団の陳述をお聞きでき、ありがとうございました。また機会をみて傍聴したいと思います。
・東電や政府側の反応が気になります。反論にも協力したい。
・放射線感受性、影響について述べられていたので、とても自分に関係のあることだったので、もう一言だけ発言したいと思いました。
◆報告集会について
・オンラインと実際に人の集まれる場が両方上手く使われていた。各地からの様子を集める報告集会を続けてほしい。
・ZOOMでの配信もあり、セッティングされたスタッフの皆さん、お疲れ様でした。原告団の作った映像2本もとても良かったです。各地の原告や支援の方ともつながり声が聞けたのもよかったです。
・原告お一人お一人の話が聞け、その思いをどこまで受けとめられるだろうかと感じながら聞いておりました。
・原告のみなさんの心の内、心の底を見せていただくような集会でした。
・裁判の全体の姿がわかって、よかったです。
・今村教授は2010年夏に宮城県が福島県沖までのびる津波震源の検討を止める早朝ミーティングの専門家としての唯一の参加者。全部を知っているが、都合よくふるまっている。分析続け(はっきり読めません)ます。
・次の期日に向けていい心構えが出来ました。
・ズーム良かったです。
◆原告への応援メッセージ
・コロナの影響もあり、不安になりましたが、裁判が再開してよかったです。
・原告の方々の声が響きます。1人ひとりの声を伝えたいです。国民みんなに関わる問題だと思っています。それを先頭に立ってしてもらっている感じがあります。ありがとうございます。
・仙台高裁判決の再来を京都訴訟でも勝ちとりましょう。
・広島の「黒い雨」訴訟地裁判決、生業訴訟仙台高裁判決と〝司法は生きている〟を確信に、頑張っていきましょう。
・原告の方々のお話はどなたも心にせまるものがありました。ただでさえも人生いろんな事があるし、弱者にやさしくない傾向の著しい日本の社会です。その上理不尽な人災にあわれ(沢山の方々に)心が痛みます。皆様、日々の生活、健康、家族がよりよい状況になりますように心より願っております。若狭の原発をはじめ、すべての原発が止まるようにと思って、少しだけ行動に参加しています。原発賠償訴訟にも関心を持っていきたいです。
・私も力を得ました。またお話をきかせてください。
・みんな飲み会ズームでいいなあ。励まされます。今日もありがとうございました!
by shien_kyoto
| 2020-10-27 14:22
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