2017年 12月 13日
【報告】12月3日 避難者の声を聞くつどい |
みなさま支援する会事務局の上野と申します。
遅くなりましたが、12月3日に開催した「原発賠償京都訴訟の勝利をめざして 改めて放射能汚染の実態を知り、避難者の声を聞くつどい」の報告です。
このつどいは、10月10日の生業(★なりわい)訴訟判決で賠償の対象から外された地域(会津地方や福島県の近隣)も汚染されており、避難には「社会的相当性」があることを市民や裁判所に知ってもらいたいという思いから企画したものです。
会場は小さい部屋でしたが、報道関係者も多数来られ、約50名の参加で満杯になりました。
最初に支援する会の奥森事務局長が、生業訴訟判決の評価とそれを踏まえて京都訴訟で勝利判決をかちとるために、◇公正判決署名を広げる◇原告の手記集「私たちの決断」を広げる◇全国総決起集会―全国支援ネット結成に参加する◇判決期日に総結集する、という方針を提案しました。
次に、妻と子が京都に避難中で、自身は福島市に残りNPO法人「シャローム災害支援センター」に勤務する、原告の吉野裕之さんの講演。吉野さんは大人よりも放射能感受性が高い子どもの目線での測定にこだわり、ホットスポットファインダーという測定器を使い、地上10で㌢、50㌢、1㍍の3つの高さで空間線量を測り続けています。
講演では、パワーポイントを使って作成した地図やデータを示しながら、同じ地点でも高さによって線量が違うこと、一本の道路でも舗装の仕方で線量が違うこと(目が粗く雨が浸み込みやすい舗装の所は線量が高い)、詳細な線量マップを作るとどこにホットスポットがあるかわかるので、具体的な対策(この道は通学路として通らない方がいいなど)を立てることができることなど、自らの実践で得た知見をわかりやすく話されました。
避難者の訴えでは、原告の3名が発言。 「学校で児童にプール掃除をさせるということがあって、中止するよう申し入れたが聞き入れてもらえず学校に不信感を持った。…近くのパーキングエリアでプルトニウムが検出されたりして、ここに居ては子どもを守れないと思い、避難を決めた」(北茨城市から避難)。
「今年帰郷した際に線量を測定したら、子どもの通学路だった竹藪の道で0・288㍃Sv、初詣に行った神社の参道で0・507㍃Sv、自宅の入り口付近にあるブルーシート(下には側溝の掃除で出た土が置いてある)に直置きで0・961㍃Svの線量があった」(いわき市から避難)。
「福島と比べると線量は低いが、仙台市でも事故前の何倍もの線量があった。…今でも土壌は低レベル放射性廃棄物の基
準の何倍も汚染されている。…こちらで関東からの避難者と出会い、選択は正しかったと確信した」(仙台市から避難)などと、それぞれ避難に至った経過や思いを訴えました。
京都訴訟弁護団事務局長の田辺保雄弁護士は、区域外避難者が多い関西での裁判の争点は「自主避難者」の避難の社会的相当性にあるとして、被災地の住民だけが公衆被ばく限度の1㍉Sv/年を超える高い線量を強いられるのは不当である。空間線量だけでなく土壌汚染も考慮されなければならない。4万ベクレル/㎡超であれば管理区域に指定しなければならず、6500ベクレル/㎡超は炉規法上のクリアランスレベルにあたる、と報告されました。
会場からは、宗川吉汪さん(京都工芸繊維大名誉教授)が、日本科学者会議の会員の間でも甲状腺がんの多発は放射線被ばくが原因であることを否定する意見があるが、先行検査に比べて本格検査での罹患率が高いこと、高線量地域>中線量地域>低線量地域の順に罹患率が高いことから被ばくが原因であることは明らか、と報告されました。
宗川さんの見解を裏付けるように、11月30日に開かれた「県民健康調査」の甲状腺検査評価部会で、本格検査の結果を地域別にみると、10万人当たりの甲状腺がん患者数は「13市町村」が49・2人で最も多く、中通りが25・5人、浜通りが19・6人、会津が15・5人だったと発表された。行政側が地域間格差を認めたのは初めてのことで、いよいよ被ばくの影響を認めざるを得なくなっていると思われます。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。3月15日にはなんとしても勝利判決をかちとるべく、残りの日々できることを精一杯取り組んでいきますので、ご支援・ご協力のほどよろしくお願いします。
遅くなりましたが、12月3日に開催した「原発賠償京都訴訟の勝利をめざして 改めて放射能汚染の実態を知り、避難者の声を聞くつどい」の報告です。
このつどいは、10月10日の生業(★なりわい)訴訟判決で賠償の対象から外された地域(会津地方や福島県の近隣)も汚染されており、避難には「社会的相当性」があることを市民や裁判所に知ってもらいたいという思いから企画したものです。
会場は小さい部屋でしたが、報道関係者も多数来られ、約50名の参加で満杯になりました。
最初に支援する会の奥森事務局長が、生業訴訟判決の評価とそれを踏まえて京都訴訟で勝利判決をかちとるために、◇公正判決署名を広げる◇原告の手記集「私たちの決断」を広げる◇全国総決起集会―全国支援ネット結成に参加する◇判決期日に総結集する、という方針を提案しました。
講演では、パワーポイントを使って作成した地図やデータを示しながら、同じ地点でも高さによって線量が違うこと、一本の道路でも舗装の仕方で線量が違うこと(目が粗く雨が浸み込みやすい舗装の所は線量が高い)、詳細な線量マップを作るとどこにホットスポットがあるかわかるので、具体的な対策(この道は通学路として通らない方がいいなど)を立てることができることなど、自らの実践で得た知見をわかりやすく話されました。
避難者の訴えでは、原告の3名が発言。
「福島と比べると線量は低いが、仙台市でも事故前の何倍もの線量があった。…今でも土壌は低レベル放射性廃棄物の基
準の何倍も汚染されている。…こちらで関東からの避難者と出会い、選択は正しかったと確信した」(仙台市から避難)などと、それぞれ避難に至った経過や思いを訴えました。
会場からは、宗川吉汪さん(京都工芸繊維大名誉教授)が、日本科学者会議の会員の間でも甲状腺がんの多発は放射線被ばくが原因であることを否定する意見があるが、先行検査に比べて本格検査での罹患率が高いこと、高線量地域>中線量地域>低線量地域の順に罹患率が高いことから被ばくが原因であることは明らか、と報告されました。
宗川さんの見解を裏付けるように、11月30日に開かれた「県民健康調査」の甲状腺検査評価部会で、本格検査の結果を地域別にみると、10万人当たりの甲状腺がん患者数は「13市町村」が49・2人で最も多く、中通りが25・5人、浜通りが19・6人、会津が15・5人だったと発表された。行政側が地域間格差を認めたのは初めてのことで、いよいよ被ばくの影響を認めざるを得なくなっていると思われます。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。3月15日にはなんとしても勝利判決をかちとるべく、残りの日々できることを精一杯取り組んでいきますので、ご支援・ご協力のほどよろしくお願いします。
by shien_kyoto
| 2017-12-13 11:42
| イベント報告
|
Comments(0)