2017年 03月 13日
第24回期日の感想が寄せられましたのでご紹介します! |
脱原発京都 大飯差し止め訴訟原告団世話人会の事務局長の吉田さんから
第24回期日の感想が寄せられましたのでブログに掲載させていただきます。
(奥森)
+++++++++++++++++++
昨日,原発賠償京都訴訟,第24回口頭弁論では,まる一日かけて,京都に
避難されてきた原告9名の証人尋問(主尋問と反対尋問)がありました。く
わしくは,すでに支援する会の上野さんから報告されています。僕の方から
は感想を少し送ります。
一口で言うと,9人の原告の人生を翻弄した原発事故の深刻さを改めてか
みしめざるを得ませんでした。子の健康を第一に避難して,その結果,失わ
れた体や心の健康,親戚や地元とのつながりなど,涙なくして聞けませんで
した(最近とみに涙もろい…反省??(^ ^;;
被告である東電・国側の反対尋問は,パターン化されています。
(反対尋問 パターン 1) あなたの周りで避難している人はいますか?
職場,親戚,両親兄弟,学校,幼稚園や保育園など,関連する場所について
すべて聞いてきます。そして,避難した人はいない,または少数,という答
を引き出しています。当然です,避難したのが少数なのは事実ですから。避
難したくてもできない事情をかかえている人がたくさんいます。そういう状
況に置かれているのが,大多数です。被告側は,避難したのが悪いように言
うわけです。
(反対尋問 パターン 2) 空間線量のデータ,モニタリングポストの数値を
見ましたか? 知っていますか?
県や市の“公式”データを示して,線量はたいしたことはない。避難しなけ
ればならないほどの線量ではない,正確な線量も確認せず,不確かな知識で
右往左往したにすぎない,というのが,被告の主張です。モニタリングポス
ト周辺はとくに入念に除染されていること,空間線量は少し離れたところで
も値が大きく異なることは常識です。モニタリングポストの設置場所が大幅
に変更されたこともありました。報告集会では,線量計に使う校正用標準線
源の核種(日本ではセシウム137だが,…)の問題があることが指摘されて
いました。線量計の不正調整のうわさは,ネット上にあふれています。避難
する意味がないように言うわけです。
(反対尋問 パターン 3) 体調の不具合については,医師の診断を受けました
か? 診断書をとりましたか? 医師は放射能が原因と言いましたか?
どんな体調の変化も,放射能の影響であるはずがないというのが,被告の主
張です。今,その体調不良は放射能の影響であるという開業医はほとんどい
ません(極少数はいますが)。なにしろ県立医大ほかの“権威”ある先生方
がおさえていますから。
田辺弁護団事務局長が報告集会で話していたことですが,「被告東電・国側
の質問には,加害者であるという認識がまったくない。共感がない,心が冷
たい」,その通りだと感じました。避難は悪,棄民政策に抵抗したのは罪!
みたいです。
そして,反対尋問は,さながら加害者が被害者をいじめているような感じに
襲われました。
しかし,被告東電・国側の冷酷さに比して,法廷の中での原告の主張には,
現実を厳しく告発して光る証言がいくつもありました。
(以下は,自分の聞き書きのメモから再構成したものなので,詳細には異っ
ている個所があるかもしれませんが,趣旨としては間違いなく書き取ったと
思います。)
◆被告東電・国側は,避難はおかしいと自分たちを非難している。避難した
方が非難されているが,それはおかしい。避難の権利がある。
◆自分の周りの友達で避難している人はいない。しかし,避難すれば,逃げ
たと思われる,帰ったときにも受け入れてもらえない,という思いがある。
みんな,本当は避難したい。
◆甲状腺検査では,幸にして異常がなかった。当然だ。もし異常が見られて
いたら,あなた達を決して許さない。(このとき,僕は“快なり”の思い
で笑い出しそうになりました(^o^)…泣いたり笑ったり忙しい)
◆当時,勤めていたイングリッシュセンターでは,事故直後,外国人講師は
皆,それぞれの政府の指示で移動して帰っていった。そして,日本人スタ
ッフ5名だけが残された。
◆避難してきて,福島から来たと言うことで,子供が学校でいじめにあった。
「放射能のばいきん」といわれて殴られた。学校側は喧嘩両成敗のような
形でうちの子供を自主退学の処分にしたので,転校を余儀なくされた。ご
く最近まで親の私も聞いていなかった。新しい学校では「福島から来た」
ということは決して言わない,と。(この件は裁判長も大きな関心を持っ
た様子で,自らずいぶんと質問を重ねていました。そのときの被告東電・
国側の弁護士のそしらぬ顔(+.+)……「まるで関係ないこと聞いてるよ」
とか,思っていたのでしょうね。自分の子供だったら,という想像力が少
しでもあれば,そんないじめが,どれだけつらいことだったか,分かるは
ずなのに。……裁判長は想像力のある人かもしれない。
--------------------------------------------------------------------
では,さようなら。再見!
(^o^)/~~~ 吉田 明生 (^O^)/~~~
京都脱原発訴訟 原告団 Web → http://nonukes-kyoto.net/
京都原発裁判支援ネット → https://houteisien.wordpress.com/
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第24回期日の感想が寄せられましたのでブログに掲載させていただきます。
(奥森)
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昨日,原発賠償京都訴訟,第24回口頭弁論では,まる一日かけて,京都に
避難されてきた原告9名の証人尋問(主尋問と反対尋問)がありました。く
わしくは,すでに支援する会の上野さんから報告されています。僕の方から
は感想を少し送ります。
一口で言うと,9人の原告の人生を翻弄した原発事故の深刻さを改めてか
みしめざるを得ませんでした。子の健康を第一に避難して,その結果,失わ
れた体や心の健康,親戚や地元とのつながりなど,涙なくして聞けませんで
した(最近とみに涙もろい…反省??(^ ^;;
被告である東電・国側の反対尋問は,パターン化されています。
(反対尋問 パターン 1) あなたの周りで避難している人はいますか?
職場,親戚,両親兄弟,学校,幼稚園や保育園など,関連する場所について
すべて聞いてきます。そして,避難した人はいない,または少数,という答
を引き出しています。当然です,避難したのが少数なのは事実ですから。避
難したくてもできない事情をかかえている人がたくさんいます。そういう状
況に置かれているのが,大多数です。被告側は,避難したのが悪いように言
うわけです。
(反対尋問 パターン 2) 空間線量のデータ,モニタリングポストの数値を
見ましたか? 知っていますか?
県や市の“公式”データを示して,線量はたいしたことはない。避難しなけ
ればならないほどの線量ではない,正確な線量も確認せず,不確かな知識で
右往左往したにすぎない,というのが,被告の主張です。モニタリングポス
ト周辺はとくに入念に除染されていること,空間線量は少し離れたところで
も値が大きく異なることは常識です。モニタリングポストの設置場所が大幅
に変更されたこともありました。報告集会では,線量計に使う校正用標準線
源の核種(日本ではセシウム137だが,…)の問題があることが指摘されて
いました。線量計の不正調整のうわさは,ネット上にあふれています。避難
する意味がないように言うわけです。
(反対尋問 パターン 3) 体調の不具合については,医師の診断を受けました
か? 診断書をとりましたか? 医師は放射能が原因と言いましたか?
どんな体調の変化も,放射能の影響であるはずがないというのが,被告の主
張です。今,その体調不良は放射能の影響であるという開業医はほとんどい
ません(極少数はいますが)。なにしろ県立医大ほかの“権威”ある先生方
がおさえていますから。
田辺弁護団事務局長が報告集会で話していたことですが,「被告東電・国側
の質問には,加害者であるという認識がまったくない。共感がない,心が冷
たい」,その通りだと感じました。避難は悪,棄民政策に抵抗したのは罪!
みたいです。
そして,反対尋問は,さながら加害者が被害者をいじめているような感じに
襲われました。
しかし,被告東電・国側の冷酷さに比して,法廷の中での原告の主張には,
現実を厳しく告発して光る証言がいくつもありました。
(以下は,自分の聞き書きのメモから再構成したものなので,詳細には異っ
ている個所があるかもしれませんが,趣旨としては間違いなく書き取ったと
思います。)
◆被告東電・国側は,避難はおかしいと自分たちを非難している。避難した
方が非難されているが,それはおかしい。避難の権利がある。
◆自分の周りの友達で避難している人はいない。しかし,避難すれば,逃げ
たと思われる,帰ったときにも受け入れてもらえない,という思いがある。
みんな,本当は避難したい。
◆甲状腺検査では,幸にして異常がなかった。当然だ。もし異常が見られて
いたら,あなた達を決して許さない。(このとき,僕は“快なり”の思い
で笑い出しそうになりました(^o^)…泣いたり笑ったり忙しい)
◆当時,勤めていたイングリッシュセンターでは,事故直後,外国人講師は
皆,それぞれの政府の指示で移動して帰っていった。そして,日本人スタ
ッフ5名だけが残された。
◆避難してきて,福島から来たと言うことで,子供が学校でいじめにあった。
「放射能のばいきん」といわれて殴られた。学校側は喧嘩両成敗のような
形でうちの子供を自主退学の処分にしたので,転校を余儀なくされた。ご
く最近まで親の私も聞いていなかった。新しい学校では「福島から来た」
ということは決して言わない,と。(この件は裁判長も大きな関心を持っ
た様子で,自らずいぶんと質問を重ねていました。そのときの被告東電・
国側の弁護士のそしらぬ顔(+.+)……「まるで関係ないこと聞いてるよ」
とか,思っていたのでしょうね。自分の子供だったら,という想像力が少
しでもあれば,そんないじめが,どれだけつらいことだったか,分かるは
ずなのに。……裁判長は想像力のある人かもしれない。
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では,さようなら。再見!
(^o^)/~~~ 吉田 明生 (^O^)/~~~
京都脱原発訴訟 原告団 Web → http://nonukes-kyoto.net/
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by shien_kyoto
| 2017-03-13 09:54
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